朝から一緒に登校し、午前中の殆ど学校案内に付き合った獅帥君と火ノ宮君達。

 なんとその時、涙ぐましい事に、鉄将君には許嫁がいるからと火ノ宮君が代わりに凄まじいスキンシップの餌食になっていたんだとか。私はその時何で獅帥君達いないんだろうーぼけーとしていた。本当にすいません。

 ただその後に天條が見知らぬ女と朝からイチャイチャ登校しているぞ!何!となって、あっと言う間に学園内に噂が出回っていたので、いやでも事情を知る事になった。


「はあ…埜々に事情を説明しなきゃな…どうしよう埜々に嫌われたら」


 頭を抱える鉄将君からも分かる通りで、4限目(自習時間)の中途半端な時間に戻って来た3人の疲労具合を見るに、相当リタにベタベタされたらしい。

 埜々ちゃんなら態とらしいリタのアピールも和かに流しそうだけれど。

 でも「埜々に嫌われたら俺は…俺は…!」と嘆いているのも、元はと言えば私のせいだし…ちゃんとフォローしておこう。


「…鉄将君が疑われたら私も証言するよ」


 その言葉に鉄将君はバっと顔を上げて「絶対だからな」と、血走りそうな瞳で言って来た。おおう其処までとは…。


「埜々ちゃんには心穏やかに過ごして欲しいからね」 

「絶対だからな!」


 火ノ宮君には、あ、後回しだ。

 すると清維が腕を組んで、はあと溜息を吐く。