多分至極嫌そうな顔はしているんだろうけど、


「…よろしく」


 背中を向けながら一応手をヒラヒラとさせて応答してくれたのでよしとしながら、緑と湿った土の匂いをさせるこの場所を好きになれる予感がした。


「カズ…一葉師匠じゃあ何から教えてもらえます?」


 早速カズミさん…一葉師匠に教えを乞う。


ーーー昼下がり。完璧に整えられたこのお屋敷で、私は息をつける場所を見つけた。