「貴方がそう言って欲しそうだったのでそう言ったまでですが」


 冷たくリップサービスだと言うカズミさん。


「酷い…!」

「ベットでの睦言を信じる方が可笑しいとお母様に教わりませんでしたか?」


 ひええガソリン注ぎ込んでいるよカズミさんと思いながら、


『大丈夫だ綴、可愛い』


 そっか、男の人がそう言う時に言う言葉は、冗談に近いのか、へえそうかそうか…何だか落ち込んだ。


「私は!」

「後もう一度ちゃんとお母様に聞いた方がいい。 透明人間(・・・・)について」


 透明人間?


 謎ワードに頭が混乱していれば、


「貴方!黙って聞いて!」


 お怒りとなっている女は、矛先を変えてこっちに来そうになっていた。

 えちょっとえ…!とカズミさんの下でワタワタする私は抱き込まれる。甘い匂い…私の好きな匂いだ。


「来ないで貰えませんか。彼女は貴方より高貴なお方なので」


 クンクンする変態女の何処が高貴なのかと思いながら、今はこのままカズミさんのノリに合わせるしかないなとカズミさんの背中に手を回した。

 少しだけカズミさんの身体がビクリとなったが、カズミさんの胸に顔を押しつける様に強く抱き込まれた。うぐ苦しい。


「言ったでしょう貴方のお母様に聞いて来いと、聞いたら私に入れ込むなぞ大馬鹿者と言われますよ」