そしたら案の定、


「親の仇並みに睨まれてさ。あの時は震え上がったけど、輝咲ちゃんの旦那さんへのアタックの仕方に疑問が湧いて」


 当時は生きた心地がしなかったが、友人が困っているならと口を出した。

 それが偶々良い方に傾いたから良かったが、輝咲ちゃんが天條である事を知った今では、怖い者知らず過ぎだなあ自分と呑気に思った。


「疑問?」
 
「疑問…て言うか。何で好きなのかなあって思ったから、何で好きなんですか?って聞いたら、言葉に詰まっちゃって」

「今は何で好きになったか分かるわよ!」


 輝咲ちゃんがプンプン怒っている傍ら、妃帥ちゃんが「ほらよく言うじゃない。一目惚れも好きな内に入るって」と一般論を持ち出す。

 私も通常なら全然ありだと思うけれど。


「うんでも輝咲ちゃんの場合は違う気がしたから」


 しかも旦那さんはとある事情で、輝咲ちゃんを簡単に受け入れる事が出来なかった。


「逆に輝咲ちゃんがどうして旦那さんを好きなのかを考えないと、旦那さんは輝咲ちゃんの事を受け入れないと思ったんだよね。ある意味自分を見つめ直すみたいな」

「自分を見つめ直す…ふふあのお姉様がね。自分より上はいない、私以外要らないって思ってしかなさそうなお姉様が」

「ちょっと!」