「で、私の弟と媾っていた綴はどうして此処に?」
「ぶふっ!」
ゴホゴホと咽せていれば、獅帥君に背を撫でられる。
仕事兼談話室で獅帥君、私、妃帥ちゃんが挟む様にソファーに座り、その対面には麗しき女性と、その子供のリヒト君がニコニコ顔でソファーに座っていた。(先程まで仕事をしていた木野島君達を追い出す様な形になった)
カズミさんのお茶をもう一口飲んで、ふっと息を吐いた。
「…そもそも綴とお姉様は知り合いなの?」
お姉様…こと天條輝咲は、妹の答えに肩に掛かった黒檀色の髪を払い除けて「それはこっちのセリフよ」と言い捨てる。
妃帥ちゃん並みに長い髪に、双子に良く似た神の創造物足るご尊顔を少しキリッとさせた顔貌、スラリとした流麗な曲線を持つ身体。
「日本の支社の様子を見がてら実家に寄ったら、獅帥が綴を食い散らかす一歩手前だったんですもの。私の方が説明して欲しいぐらいだわ」
「うぐ」
輝咲ちゃんは肩にグレーのスーツの上を上着の様に掛けて、白いワイシャツとタイトなスカートに身を包む女社長スタイルに身を包み、鋭い視線を私に突き刺した。
「ママ綴ちゃんをいじめちゃ駄目!」
眩しいキラキラの金髪を持った天使…リヒト君が実母に抗議してくれてちょいと涙目だ。



