「よく少年漫画で見る幼馴染キャラって、好きなのに他の女の子が出てからアピールするんですよね。絶対にアドバンテージあるから有利なのに。基本的に10代の男は積極的にいけばイチコロだと思うんですよ。でも貴方の場合は男の方から気付けよ馬鹿!ってアピールせずに、でもこんないじらしい私を見て、貴方の事を1番よく分かっているのはわ・た・しって言う、読者からあんまり好かれないタイプの女の子ですよね」
「…っ」
俗物的な言い方であっても。
心の中では分かっていたのにどうしても、
「違う!」
否定したかった。
「実際貴方は自分を理解しろと言って天條先輩の事を理解しようとしな、」
「違う…違う!」
「違うって言われてもなあ…」
絶叫に近い私の否定を今度は聞き入れた惣倉影刀は、困った様に言ってフッと表情を消した。
「グダグダ…グダグダ…此処まで言って何も分からない、いや分かろうとしないなら終わりだよ」
恐怖で言葉が止まる。
「貴方は一生掛かっても選ばれない」
私への答えは終わったと背を向けて惣倉影刀はドアから出て行く。
もう立っていられなかった。
「清維っ」
マサが慌てた様に駆け寄るのを横目に、往生際が悪くも縋りつく様に扉を見つめる。
しかし扉は残酷にも、パタリと音を立てて閉じた。
ーーー獅帥に永遠に選ばれない。
その現実をいやでも見せ付けられ、私は暫くの間立つ事が出来なかった。



