「今更だろう。僕達が何もしなかったのも、僕達が何が起きているのか怖がって知ろうともしなかったのも全部…今更だ」
悔恨に満ちたマサの言葉に胸が締め付けられた。
マサは本当に変わった。
昔のマサなら絶対に非なんて認めなかった。
プライドの高さは、努力の証拠。
誰よりもシンカン…獅帥のシンカンとして誇りに思っている。
完璧な獅帥の傍に居る為に。
私もそうだった。
私の家系はミケを多く輩出している家で、いつか私も獅帥のミケにと自分を高める為に努力を重ねた。
本質を見なかった。
完璧な獅帥に歪みなんてない。
獅帥の歪みに巻き込まれる様に私達も歪んだ。
歪みは大きくなり、やがて大きな渦となった。
それで良いと思い込んだ。
私達が崇め奉るオオミカが間違う事はない。
悩む事なんて、
『…家族は誰も気に掛けない、周囲も監視目的で気に掛けているだけだから心から心配されている訳でも無い、孤立無援って事でしょう。好きなモノを作る事すら許されていない獅帥君に妃帥ちゃん以上の未練なんて無いと思わない?』
どうしてなのよ。
「…どーもありがとうございます」
惣倉影刀はどうでも良さげに手を振って出て行こうとする。
我慢が出来ない。
「どうしてなのよ…」
「清維どうし、」
楽の言葉を遮る様に叫んだ。



