過つは彼の性、許すは我の心 参



 必死に小さな身体で大きな身体の鉄将を守る姿は、普通なら涙を誘われるものだけれどチラリと見た惣倉影刀の表情はーーー。


「…っ」


 全くと言って良いほど惣倉影刀には響いてない様で、その感情を削ぎ落とした表情に恐怖が煽られる。

 しゃがみ込む恐ろしき暗殺者は、


「じゃあ貴方は何を差し出せますか?」


 埜々と視線を合わせ、その銃口を向けた。


「ま、」

「この女に聞いている」


 止めようとする烈をすかさず声で静止させる。

 誰かの「ひっ」と言う声が響く。

 惣倉影刀の視線は埜々を離していないのに、誰もが微動だに出来ない。

 時々獅帥達から感じるあの威圧感に似た…いや禍々しくも恐ろしいナニかが身体を雁字搦めにしている気すらして、身が竦む。

 それでも涙を溜めた埜々は、


「ーーー綴ちゃんを大事に思う貴方が怒るのも最もです」


 しっかりと目を合わせて一歩も引かない。


………埜々どうして、


「外部から来た力の無い綴ちゃんが理不尽にも、私達が見て見ぬ振りし続けたモノに攻撃されている。これは鉄将君…いえ此処に居るシンカン、そして気付いていて何もしなかった私にも責任があります」
 

 貴方はそこまで強くあれるの?


「だから私卯ノ木埜々個人として貴方にお約束します」


 ふっと息を吐いて瞳を閉じる埜々。