「止むなくって…」
「天條妃帥の居る場所を教えろって言ったんですけど、」
こうなっちゃいましたね、と他人事の言い方をする惣倉影刀。
ゴミを投げ捨てる様に鉄将が床に落ちた。
「ぐっ…」
鉄将の呻く声に生きている事は確認出来たが、誰も動けなかった。
惣倉影刀の周囲を見渡す目が真っ暗で喉がヒュッと鳴りそうになる。惣倉影刀の皮を被ったナニかが此方を見ている様な気がして、汗まで掻き始めた。
「…あんな扱いされているのを黙って見ているだけの癖して、急に騎士気取りですからね。で、貴方達は?」
「え?」
楽の間抜けな声が室内に響き、惣倉影刀は「2回も言いましたけど、コレ遅延行為ですか?」と首を傾げた。
「一応言っておきますけど、余程の事がない限り此処に警備の人は来ないですよ。バレずに入り込んだで」
「そう、なんだ…」
「状況を認識出来ないみたいですね。じゃあ今直ぐ天條妃帥の居場所を教えて下さい」
銃を鉄将に向けて、
「ーーーじゃなきゃコイツを殺す」
声色にも殺意を乗せて一気に血の気が引いた。
その瞬間飛び出す1つの影。
「埜々!」
恐怖で凍り付いた口が思わず動いた。
鉄将に縋り付きながら埜々は「お願いします命だけは!」と惣倉に申し出る、が。



