過つは彼の性、許すは我の心 参

 

 捻くれ者で、プライドが高く、何が何でも言い返さなきゃ気が済まないマサを黙らせるとは。今までおっとりとしている様にしか見えなかったのに…。

 そこで、


「お邪魔しまーす」


 聞き慣れない声が、鉄将の出て行った入り口から入って来る。

 入って来た瞬間、男が持っていたモノにソファーに座っていたシンカン達が立ち上がる。

 血が伝い、生きているかも分からないーーー…。


「鉄将君…!」


 走り出す埜々に、黒い銃をチラつかせた男に足を止めさせる。


「ま、待てよつ、惣倉。何が」


 トラブルが起きたら大抵処理をする羽目になる楽が男…惣倉影刀にどもりながら問い正す。

 惣倉影刀もよく見たら傷だらけだが、中に着ていた黒い服だと思っていたパーカーは血を吸って黒くなっているだけだと気付いてゾッとした。


「あーコレですか?」


 コレと呼ぶ鉄将の首根っこをグッと持ち上げるが、鉄将はピクリともしない。

 大人数で飛び掛かれば勝てるかもしれないなんて幻想は、惣倉影刀の放つ異様な雰囲気に掻き消される。

 私含めて他のシンカン達も状況が飲み込めずに相手側の反応を伺うしか無く、楽を遮ってまで何故此処に居ると言う質問も憚られた。

 当の惣倉影刀は、


「武凱先輩は教えてくれなくって、止むなくですね」


 普通の日常会話をする様にそう言った。