叫び声が近くから響いた。
ああ僅かに感じる痛みも、スッと引いて行く。気分が良い。
私の血と男の血が混じる。
綺麗…ではないな。
「テメエ…!何て事をっ…!」
リタの隣に居たもう1人の男が首筋から血を流して「ひ、あ、あ首が、ああ」と呻く傍に寄り添う。
「おい女!何しているんだアア!?」
「捕まえろ!」
人が走って来る。
ドタドタと音がフロア内に響く。
場内に怒りが拡散する。
掴もうとする、殴ろうとする、蹴ろうとする。
あっちから見ればフラフラしている様にしか見えないだろう。
でも私には分かる。こう避ければ良い。
男達の合間を縫う。
「なっ」
男の1人が驚いた声を出す。
多分私の動きは素人も良い所で、運動神経も良いとも言えない、だから私が男を傷付けたって言う事実を目の前にしてもこの人達は警戒出来ない。
そうーーーこんな風に。
「ぐあっ!」
「うっ…!」
「うぐああああぁああ!!」
軽くガラス瓶を動かしただけで、周囲を飛び散る血。
男達をその辺に落ちていたガラス瓶で切り刻む。耐久性が凄いなあガラス瓶。
「やめっ」
「ぎゃああ!!」
悲鳴と血がフロアを覆った。
気付けば、
「あああっ…あああああぁああ!!」
「ひ、ひいいぃい!」
「あ、痛え痛えよお…」
床に血塗れに臥した男達が死ぬ寸前の虫の様に蠢いている。



