過つは彼の性、許すは我の心 参



「お祖父様になんて口を…!」


 あんなクソみたいな事言っているのに、お祖父様って言い方するんだ。ちょっとおもろい。


「彼奴の顔色しか伺えへん様な阿呆と話しても無駄や」

「凌久お前…!」


 凌久君の襟首を掴み、殴るモーションに入る。危ない。

 咄嗟に、


「ダッサ…」


 出た私の言葉が響いて、目標が変わる。


「テメェ…!」


 襟首を捕まれ、そのまま殴られた。


「つづ!」


 ーーーガシャン!と言う音共に、近くに置いてあった空の酒瓶が入ったケースにぶつかった。


「っ」


 硝子の破片が身体を傷を付け、手を付いた時に更にザックリと手を切って血が滲む。


「つづ!お前ら!」

「はいはいお兄さんヤる気ないんだろう」

「俺らが楽しむからさ」


 でも…あんまり痛く無い。

 うん?頭は痛い気がする?あれあれ何だこれ。

 やっぱり可笑しい。

 血に濡れたキラキラとナイフの様に光る割れたガラス瓶の虹彩が、目に痛く感じる。

 心臓がドクドク言っている。


「おいっ」

「はいはい喜影いいだろう。もっと良い女探してやるから」


 喜影君と帷有墨の声も、羽交締めにされている凌久君の声も、捕まっている惣倉君の声も、囃し立てている声も全部、


「おい女、」


 肩を捕まれてーーーーガラス瓶が一閃、煌めいた。


「あ、ああっうわあああああ!!?」