彼女は人と話すのが好きらしい。

 自他共に認める寡黙な俺に様々な話を聞かせてくれるが、


「何、なんの事だが」


 こう言う時の彼女はどもっていつもの饒舌さを失い、視線はあちこちを彷徨う。見るからに動揺していて、素直に可愛いと思った。

 だからもう少し、


「じゃあーーー何を想像した?」


 意地悪したくなる。


「え、え?想像、」


 あの日の事を思い出して彼女は顔を真っ赤にした。赤く熟した林檎の様に見えて、美味しそうに見える。

 もっと赤くしたら、美味しくなるんだろうか。


「へ、ままって、ひゃ」


 耳に顔を近付けて舌を這わせ、形をなぞると「んっ…」と甘やかな吐息を漏らす。

 奥深くに忍び込ませれば、押し倒す俺の両肩を握る手に力が込められた。


「し獅帥く、んっ…や」


 態と水音を響かせればビクンと身体を震わせたので、足の間に身体を入れて、するりとスカートの中に手を入れる。足のラインを下から上に向けて撫でれば、身体を大きく揺らす。下着の上から触れるか触れないかで撫でれば、彼女の呼吸が荒くなっていくのを感じ、手を深く潜り込ませる。


「あっ…!」


 待って待ってと肩を叩かれるが叩き方は弱く、これ以上赤くはならないぐらい耳は赤くなっていた。

 熟した林檎の甘さは格別なのは、誰よりも知っている。