過つは彼の性、許すは我の心 参



 自分が倒れているらしいソファーには、凌久君が私を抱える様に座ってーーー…。


「先輩!」

「惣倉君…」


 彼方此方に身体の傷をこさえた惣倉君が、離れた位置でぞんざいに床に投げ捨てられ、縛られていた。


「っ」

「兄貴のお荷物にまで好かれて中々遊んでいるだなあ、唐堂綴」


 ガッと惣倉君の頭を踏む帷有墨は、いやらしい笑みを浮かべて私達を睥睨する。

 その姿に例え様のない苛立ちが湧き起こるが、身体が上手く動かないので黙って話を聞くしかなかった。


「お前ら何であんな場所で捕まったのか分かるか?」


 ペラペラと喋る男の言葉によれば、


「流石に俺達の力じゃあ場所の封鎖なんて出来ないからなあ…そしたら天ヶ衣って奴が乗ってくれて、そしたらとんとん拍子よ」


 との事だったが、あの人本当に疫病神だなあと言う感想しか出て来ない。この行動力が獅帥君達に及ばない事だけが今の救いか。


「忠告したつもりだったんだが…」


 帷有墨が見上げた先に居たのはーーーー…。


「お前が言っても言わなくても変わんないだろう、こう言う馬鹿は」


 上のフロアに居たらしい喜影君が降りて来る。

 私達を見て険しい顔をする喜影君は帷有墨を見て「やり過ぎだろう」と言っているのが聞こえる。


「ええ?俺だって此奴に傷付けられたからいいだろう?」