「彼奴ほんまに忍者やな」
呆れた様な凌久君とは反対に、何故だか胸が騒つく。
凌久君以外の護衛が何処に居るかは分からない…いや待って。
「つづ?」
立ち上がって周囲を見たが、やっぱりそうだ。
「凌久君近くに居てね…人こんなに居ないの可笑しくない?」
音楽は流れているのにあれだけ居た人達も、店員すら違和感無く消えていた。
凌久君もバッと周囲を見渡す。
「惣倉君無事かな」
「それより俺らの方が、」
凌久君の言葉が止まって、彼の見て来た視線を追う。目を疑った。
「凌久〜こんな所に居たんだあ」
「リタ…」
お供を連れて現れたリタは、胸や足が露出したカジュアルな格好で…まるで変わってしまった円嘉みたいで、思わず眉を顰める。
そして、
「綴」
「…喜影君」
リタに腕を絡められ不愉快そうにしているものの、私を見る目は逸らす事の無い喜影君。
「忠告は聞かなかったか…」
久々に会った喜影君は思った以上に疲れている様な、窶れている様な雰囲気に少しだけ戸惑ったが…。
「ねえどうして私と彼が一緒に来たか分かる?」
リタがコテンと首を傾げた。
そうだ。
土師が天満月と親交があるなら、惣倉と関係があっても可笑しくない。
「やあっと気付いた?ふふ…」
そう言って笑ったリタは、やっぱり何時ぞやの円嘉を彷彿とさせた。



