楽し気な惣倉君の言葉に嘘は無さそうで、本当に今の自分が好きなんだと分かる。
凄いな…と思ってしまう。
人生何周しているんだって言うぐらい…いや人死にに関わっているからこそ、確固たる自分があるのかもしれない。
「先輩はどんな自分が好きですか?」
「私は…」
どんな自分が好きか。
どんな自分になりたいのか。
前は素直に答えられた気がする。
でも今は…。
「ーーーおーい2人とも俺の番終わり」
私と惣倉君の視線が上がる。
見たらゲームは終わっていたらしく、いつの間にか凌久君が私達の前まで来ていた。
「本当だ」
「見てへんかったのか」
「あ」
「じゃあ次俺行きまーす」
惣倉君は上着を置いてベンチから立ち上がると、1人でゲームのブースに入ってしまう。
「あちー」
凌久君は私の隣にドカリと座って、両手をベンチに付く。
「何の話しとったん?」
「好きな自分と将来の夢」
「急な話やな」
持っていた上着を渡すと「さんきゅ」と言って受け取りながら凌久は「俺は医者やろうさかいな」と呟いた。
「…それは土師に言われたから?」
「そう」
土師保宇の管理の元、凌久君の人生は決められている、そう言っていた。
「…こないだな、偶々渚とその妹と一緒に話す機会があったんや」
「夏波ちゃんも一緒に?」
「ああ。ほんなら妹も医者になるって言うとってな」
「へえ夏波ちゃんが」



