本当に優しい人なら円嘉も、ナオもあんな死なせ方しなかった。
向き合うのが怖かった。
向き合って自分の醜さを知りたくなかったから、見ないふりをして、彼等を。
「私は…!」
「殺すのって労力要るんですよ」
ハッと惣倉君の目を見ると笑っておらず、冷んやりとしたモノまで感じて口を閉ざす。
「俺の家の事は聞いたと思うんですけど、俺の家はそう言うのを専門にやっている家なんです。惣倉に居る人間は皆んなその手を真っ赤にさせる。サイコパスなんてザラに居る様な家なんです」
「…」
淡々と家庭事情を話す惣倉君の横顔は、諦めている様に感じた。
「天條と言う神を殺す為にありとあらゆる手段を使って血を組み合わせ、いつか頂きに居る奴等を引き摺り落とそうとしている。何時代だよって話しですけど」
「…血を組み合わせる?」
「あーアレですよ。品種改良と一緒で、例えば精神は弱いけれど強靭な身体の持ち主と、強靭な身体じゃ無いけれど強靭な精神力の持ち主同士を結婚させて子供を産ませて更にその弱点を補う為に…ってやっているんです」
「それって…」
簡単に話しているけれどそれを何百年と続けて、現代までそんな事しているって事でしょう。どれだけ天條を、神を。
ぶるりと身体が震えた。



