過つは彼の性、許すは我の心 参



 獅帥君のスケジュールに合わせるとどうしても、そうなっちゃうんだよね。(家族との定期的な面会は除く)学園でもああやって狙われる事もあって、友達とのお出掛けも自然と避ける様になっていた。


「…護衛って獅帥君の木野島君達とか?」

「そうなるな」

「んーそっかあ…」


ーーー鉄将君の頬を思いっきり引っぱたいた後。

 私は前と変わらない様に接していたけれど、周囲が心配になるぐらい鉄将君はあからさまにぎここちない感じだ。

 叩いた事は謝った。

 でも心情的には許せていない。

 知ってて何年も考えあぐねて放置し続けた…周囲の大人達と被ってどうにも無理だった。

 大衆の為に、妹の為に、自身を差し出し続けて自我を壊され続けた獅帥君。

 唯一の愛すべき肉親を壊され続けるのを黙って見続けることしか出来なかった妃帥ちゃん。

 親の犯した罪を一生人生で支払い続けるカズミさん。

 彼等の事を思うとこの天條で働く全ての人を許せなかった。

…正直に言えば、妃帥ちゃんに対しても何とも言えない気持ちが私の中に貯留しているのも嘘じゃない。

 普通に話す事もあるが、前程能天気に妃帥ちゃんに関われなかった。

 それでも私は過去の事をーーー聞けていなかった。

 過去を話すって事は傷をえぐり出す行為に他ならない。