時々視線が合えば、獅帥君の瞳には欲が乗り始めて、キスをしながら私の身体をゆっくりと床に横たえた。
ネクタイを乱暴に外す獅帥君を見上げる。
「綴…」
それでも理性が彼を辛うじで引き止める。
神に願いを請う巡礼者の様に、両腕を彼に掲げた。
「いいよ、獅帥君」
「つづ、」
「大丈夫。何があっても、これから何を知っても」
傍に居るから。
そう言い終わらない内に、獅帥君は私に齧り付く。
冷たい床の上で性急に事を進められているのに、身体は反して熱くなる。肌がくっ付くと気持ちが良くて、涙が溢れる。
「はあっ…」
私の1つでも溢したくないと舌で涙を啜る獅帥君。
その姿は妖艶で、身体中に鳥肌が立った。
太腿を撫でられて、吐息が漏れる。
深く、
「ーーーあ!」
潜り込まれてもう息も出来ない。
短く断続的に出る嬌声、汗と涙、身体を貫く衝撃。
その全てで、掻き乱して欲しい。
恐ろしい事実も迷いも、辛い記憶も、今は全部忘れさせて欲しい。
そして深く息も吐かせないぐらいーーー…。
「綴…っ」
「し、すい君っ」
強く私を壊して欲しい。
そうすれば何も見ずに済むから。



