何時も見ている美貌には影が掛かり、こんな時でもより一層美しく見える。
「どうした何処か辛いのか」
眩し過ぎて俯く私に、優しく問い掛ける獅帥君。
綺麗で頭も良くて、人の気持ちを思いやれるくらい優しい人。
なのに、この世界は彼等には辛く厳しい。
「…」
頬に触れる。あったかい。
同じ人なのに、どうして。
「大丈夫、」
「…獅帥君は私に傍に居て欲しい?」
唯一私でも貴方を守れる方法がある。
『だから今彼奴等にはどうしてもお前が』
そう。
ミケが出来れば、きっと獅帥君は彼女達の相手をしなくて済む。
オオミカとの子供を作る目的であんな事をしているんだったら、ミケと言う正当な相手さえ出来れば体面は守れる。無闇たらに手出しは出来なくなる。
後は私が受け入れればいいだけ。
「…俺は」
「うん」
逃げ出したいって気持ちは今もある。
でもこの人には…この人達を本当に守ってくれる人はいないんだ。
ソドムに居た時と変わらない、今だって自分の願いを上手に伝えられないこの人を。
「俺は…」
ーーーガタンと、携帯が床に落ちた。
「っ…綴どうし、っ…」
獅帥君の首に腕を巻き付けて引き寄せると…自らキスしていた。
おっかなびっくりと言った感じで獅帥君の腕が私の腰に回る。
「っ…は」
「はあ…獅帥君」
お互いの口内を舌が行き来し、唾液も何方のものか分からない程深まる。



