過つは彼の性、許すは我の心 参



 何時も見ている美貌には影が掛かり、こんな時でもより一層美しく見える。


「どうした何処か辛いのか」


 眩し過ぎて俯く私に、優しく問い掛ける獅帥君。

 綺麗で頭も良くて、人の気持ちを思いやれるくらい優しい人。

 なのに、この世界は彼等には辛く厳しい。


「…」


 頬に触れる。あったかい。

 同じ人なのに、どうして。


「大丈夫、」

「…獅帥君は私に傍に居て欲しい?」


 唯一私でも貴方を守れる方法がある。


『だから今彼奴等にはどうしてもお前が』


 そう。

 ミケが出来れば、きっと獅帥君は彼女達の相手をしなくて済む。

 オオミカとの子供を作る目的であんな事をしているんだったら、ミケと言う正当な相手さえ出来れば体面は守れる。無闇たらに手出しは出来なくなる。

 後は私が受け入れればいいだけ。

 
「…俺は」

「うん」


 逃げ出したいって気持ちは今もある。
 
 でもこの人には…この人達を本当に守ってくれる人はいないんだ。

 ソドムに居た時と変わらない、今だって自分の願いを上手に伝えられないこの人を。


「俺は…」


ーーーガタンと、携帯が床に落ちた。


「っ…綴どうし、っ…」


 獅帥君の首に腕を巻き付けて引き寄せると…自らキスしていた。

 おっかなびっくりと言った感じで獅帥君の腕が私の腰に回る。


「っ…は」

「はあ…獅帥君」


 お互いの口内を舌が行き来し、唾液も何方のものか分からない程深まる。