過つは彼の性、許すは我の心 参



『八重さんはそんな獅帥の姿を見て、女共を蹴散らした後にお袋を…暖炉にあった火かき棒で殴り捲った』

『殴り捲ったって』


 息子の一葉さんが居る前で?


『お袋が動かなくなったら、その足で匡獅さん達が寝る部屋に入った。暫くして出て来たと思ったら、血塗れで戻って来た』

『待ってよ、血塗れって、え』


 意味が。


『血塗れの八重さんの背後で、喚いている血塗れの母親と血だらけの匡獅さんが見えたから八重さんがやったんだよ』

『っ…』

『そっから八重さんは行方不明、2度とこの屋敷に帰って来る事はなかった』


 愛憎が何処まで捻れればそうなるの。

 
『…俺が奪ったも同然だ。だから今彼奴等にはどうしてもお前がーーー綴!』


 一葉さん分かっているんだよ。

 私が傍に居る事に意味があるのも。

 でも。

 
「何にも解決していないのに傷付いた獅帥君達は無視して、神様になれって頭おかしいんじゃないの!?」

「唐堂頼むから落ち着け、」


 怒りが身体から溢れ出す様にーーーパンッと掌で鉄将君の頬を叩いていた。


「っ…い」


 手がジンジンする。

 目からも涙が止まらなかった。


「最低だよこの家は!」

「唐堂!」


 頬を押さえた鉄将君を無視してまた走り出した。


「どうされたんですか綴様!?」

「綴様お待ち下さい!」