問い返した私に自虐的に笑って、
「彼奴等優しいんだよ。加害者の子供なのに、責めなかった上に俺が生きられる様に取り計らってくれた」
モノクルの無い左目を指すった。
妃帥ちゃんは敢えて傷付けたんだ、一葉さんを、カズミさんを守る為に。
胸が痛くなる。
どうして被害者である子供の彼等が、大人達に守られずに、お互いで守り合うしか出来なかったのか。
「その辺りから妃帥は自分がどんな目で見られ様が、何を犠牲にしようが、構わないってスタンスになった」
我儘なお嬢様のフリをしたり、人に火を点ける様に促したり、辱めたり、狂人の真似事をしたのは復讐だけでなく、そっか自分達を守る為でもあったのか。
「…俺は犯罪者の子供だ。出来る事は限られているからな」
「だから獅帥君の代わりを?」
溜息を吐く様に頷いた。
「気持ち悪くて仕方ないけどな…そうでもしなきゃ、獅帥に発情した猫みたいに寄って来やがる。多少嘘ついて関心をこっちに向けられるなら御の字だ。偶にああやって本気になる奴もいると厄介だが…それで獅帥達が少しでも穏やかに過ごせるなら」
「吐くほど辛いのに?」
「…」
一葉さんにだって何の責任もないのに。
私の心の声が伝わったのか、一葉さんは首を振る。
そして、
「違うんだ、俺が彼奴等から奪ったんだ」
続いた言葉に驚愕する事になった。



