「それに俺の母親は天女目春日の娘だ」
「…え」
時が止まった様な気がした。
動揺する私を置いて、
「お袋は逆らえなかった。役に立たなきゃあの女、いや…あの男に何されるか」
「…」
「だから妃帥を痛め続けたのも、獅帥が感情を無くすまで食い物にされたのも、お袋が先導してやった」
一葉さんは諦め切った様に私を嘲笑う様な事実達を淡々と話す。
今どんな心境で話をしているのか、私には理解出来なかった。
「土師や天女目に関わる奴らは皆あの男が怖いんだ。お前から見ればまともよりな四葉も圭三郎も、土師凌久には目を掛けているけど、俺については居ない扱いなのが良い例だ」
「…」
叩きつけられる数々の事実は私を一葉さんを、追い詰めていく。
「事実が明るみになって、蜥蜴の尻尾を切る様にお袋と何も知らなかった親父に全責任を押し付けた。それで終わり。お袋と一緒になって獅帥達を嬲って居た連中は今も平然とこの天條邸で働いている」
「…」
「何も終わってないって思っただろう」
そう何も終わっていない。
「ーーー獅帥は誘いを受け続けた。昼間でも真夜中でもな」
その言葉にふと、獅帥君を初めて寝かしつけた時に現れた真夜中の訪問者を思い出す。
じゃああれって…。
「お前も身に覚えあるんだな」
「…」
「だから、罪滅ぼしなんだ」
「罪滅ぼし?」



