外に出た瞬間、


「何してんの…」

「獅帥ここ最近テンション高くない?」

「火ノ宮君木野島君!」


 呆れた様な火ノ宮君と木野島君がいて、恐らく仕事部屋兼談話室に行く途中だったらしく、丁度扉に手を掛けている所だった。


「アンタらはしゃぎすぎでしょう」


 火ノ宮君がやれやれ顔で言ってくるが、


「獅帥君に言ってよ!」


 2人からすると獅帥君の過保護モードが持続しているだけに見えるだろうけれど、私としてはちょっと獅帥君と離れて気持ちを落ち着かせたいので、2人には是非とも頑張って欲しいんだけれどね。

 その時、さらりと薄水色のワンピースが視界に入る。


「獅帥、ここ一応人前なんだから」

「清維…」


 2人の背後にいたらしい裾の長めなワンピースを着た清維。清楚な美少女お嬢様と言ったら私が見た中で1番(?)の清維が一応獅帥君を嗜めてくれた。

…まあ清維からすれば好きな人が異性と親しいのが見てられないだけだと思うけれど、そう言えば絶賛気不味いだったんだ。


「…」


 考え込む獅帥君。

 お、人の話を聞く気になったのかと感心ーーー。


「綴」

「…ん?」

「綴がいると良く眠れる」


 抱き上げられた私の顔を下から見上げる獅帥君。

 その目は懇願する様にも見えて、動きは私の身体に自分の顔を埋めて甘える様だった。


 それって…。


「狡くないっ…?」