私の場合は物理的に人を殺そうとした。
妃帥ちゃんを殺すって言われて、身体が勝手に動いた。
前に円嘉が変態教師に襲われそうになって似た様な事をした時、お祖父ちゃんは悲しそうだった。
初めてその時、自分がやっている事は悪い事なんだと言う認識が生まれた。
小さな私は単純にお祖父ちゃんと家族が大事だったから、言う事を聞いて危ないモノに近付かない様にした。
でも時々自分の中の好奇心が勝る時もある。
そう言う時はお月様との約束を言い訳にして、自分の好奇心が勝って近付いて、それでも危ないと感じたら、自分の手に負えないと思ったら、早々に離れる様にした。
徐々にその時に記憶も薄れて、悪い私もそのまま深く閉ざされた部分に沈んで行ったけれど、円嘉の時は危なかった。
あれ以上異常な環境が居続けていたら、きっとお祖父ちゃんとの約束を破っていたと思う。
あの時は沈んだモノが浮上する前に家族の元に帰れたから良かったけれどーーー匡獅さんの言う事が現実で、また同じ様な事が起きたら止まらないかもしれない。
しかも恐ろしかったのは。
「天ヶ衣さんを椅子で殴っていた時」
「…」
「私楽しんでたっ…!」
悲鳴を聞くだけで頭痛もスッと引いていき、虫みたいに床を這う天ヶ衣さんの滑稽さに笑いが込み上げていた。



