誰かの声がする。
『いいかい綴。危ないモノには近付いてはいけない』
『何で?危ないよ』
だから悪い事する前に。
『…綴は、家族が大事か』
頷く私の後ろでサイレンが鳴っている。
学校に沢山の人が来ていて、円嘉は救急車に乗って、ナオは警察の制服を着ている大人と話している。
そっかお父さんもお母さんも仕事だったから、お祖父ちゃんが来てくれたんだ。
『良い先生だと思っていたのに…』
『何で前の学校でも問題を起こしたのに辞めさせられていないんですか!』
『お母さん落ち着いて!私達にも何が何だか』
『落ち着いてなんて居られないわよ!性犯罪者が平気で子供と接して実際に行動に移そうとしてたんでしょう!』
『この学校ではまだ、』
『まだですって!?先生達はどう責任を取るんです!?』
沢山の大人が怒声が聞こえる。
『だったら尚更だ。綴が危険に巻き込まれればその分私達は悲しむ。普通から逸脱してはいけないんだ』
『…』
不満気な私に気付いたお祖父ちゃんは、小さな私の両肩に手を置いた。
『なら避ける事に注力しなさい』
『避ける?』
『そう。危ない人には近付かない。もし気付いたらお祖父ちゃんに相談だ』
頷いた私をお祖父ちゃんは抱き締める。
『頼むお前は普通の子であってくれ…』
『…お祖父ちゃん?』
痛くなる程ギュウっと抱き締められて困惑した。



