叫んでいるモノが。何で?
首を傾げていれば、
「何を言っているんだ。悪いのは君だろう」
「は、あ?」
匡獅さんが私の代わりにモノに答えている。
「よくは知らなかったが…君がオオミカに危害を加え様としたから罰せられたんだろう。命があるだけ有り難く思いなさい」
「何、言って、」
モノは血塗れになりながら、匡獅さんの言葉に目を剥いている様だった。
「圭三郎は呼んであげよう。だから良い加減獅帥に執着するのはやめなさい。獅帥に君は要らない」
何で分からないんだろうと不思議そうな匡獅さんの言い方に、私も何でだろうねと首を傾げる。
「…っこの女はオオミカでもない!ミケであっても何の後ろ盾もない!何も無いのになんで獅帥の傍に居られる!」
私を睨み付けたモノは血の唾液を飛ばしながら言う。
怨嗟の籠った瞳は普段の私なら震え上がるだろうが、何の感情も起きない。
匡獅さんが溜息を吐く。
「はあ…君は勘違いしている。彼女は獅帥達の大事な大事な片割れだ。それこそミケ以上にね」
「意味分かん、」
「元々1つだったモノが分たれて別々の存在になっている。それだけなんだ。たかが人風情が割って入るのが烏滸がましいんだ」
1つが2つ?
ボンヤリした頭では意味を捉えられない。



