過つは彼の性、許すは我の心 参



 叫んでいるモノが。何で?

 首を傾げていれば、


「何を言っているんだ。悪いのは君だろう」

「は、あ?」


 匡獅さんが私の代わりにモノに答えている。


「よくは知らなかったが…君がオオミカに危害を加え様としたから罰せられたんだろう。命があるだけ有り難く思いなさい」

「何、言って、」


 モノは血塗れになりながら、匡獅さんの言葉に目を剥いている様だった。


「圭三郎は呼んであげよう。だから良い加減獅帥に執着するのはやめなさい。獅帥に君は要らない」


 何で分からないんだろうと不思議そうな匡獅さんの言い方に、私も何でだろうねと首を傾げる。


「…っこの女はオオミカでもない!ミケであっても何の後ろ盾もない!何も無いのになんで獅帥の傍に居られる!」


 私を睨み付けたモノは血の唾液を飛ばしながら言う。

 怨嗟の籠った瞳は普段の私なら震え上がるだろうが、何の感情も起きない。

 匡獅さんが溜息を吐く。


「はあ…君は勘違いしている。彼女は獅帥達の大事な大事な片割れだ。それこそミケ以上にね」

「意味分かん、」

「元々1つだったモノが分たれて別々の存在になっている。それだけなんだ。たかが人風情が割って入るのが烏滸がましいんだ」


 1つが2つ?

 ボンヤリした頭では意味を捉えられない。