モノが私に飛びかかる、大丈夫こっちに避ければ安全。
前もそうだった。
「っ…なん!ぐあ!」
するりと横に避けて、すかさず振り上げて一発。
悲鳴が上がった。あー落ち着く。
隙を与えずに振り上げ続ける。
そうすると痛みは引くし、何よりこの人は私達を殺そうとしている。
殺らなきゃ。
誰が?
彼が?
私が?
そうだよ、2つで1つなんだから。
もう1つの為に、消さなきゃ。
「ぐ、あ!たす、」
コイツは要らない。
殺す。
叫ぶ。
喚く。
ああ殺すのってたの、
「綴さん、大丈夫かな?」
動く手を捕まれて、椅子が自分の手から落ちる。
見上げた先に居たのは、
「…匡獅さん?」
獅帥君達に良く似た顔で匡獅さんは楽しそうに、それでいて懐かしいモノを見る様な目で私を見下ろす。
「あ、あ、」
「怪我はしていない?」
「は、い」
意識がクリアにならない。
匡獅さんが居て、ぐちゃぐちゃになったモノが床で這いつくばって落ちてて、
「怪我はしてなさそうで良かった」
微笑む匡獅さんをぼーっと見つめる。
「綴さんは初めてだろうからなあ。八重程慣れてないから思わず止めてしまったよ。悪かったね」
「…」
水の中に居る様な感覚で、自分の力で立てているのかも怪しかったが、両肩を匡獅さんが支えてくれているお陰で倒れずに済んでいる様だった。
「コイツ!何だよ!犯罪者が!」
「…」



