しかも、
「でもお前の幼馴染はお前程図太くもなかったなあ。多少盛ったお前の身辺調査の資料を見せて、周囲に働きかけて仕事辞めさせて、忍ばせた薬を飲む様に促したら早々に堕ちた!」
その時 お節介な奴が誰だか漸く思い至った。
「まさか…」
「ああ今更気付いたのかよ!そうだよ獅帥にもご丁寧にやったけど、獅帥は知らぬ存ぜぬだったけどなあ!」
「何でそんな事」
「何でそんな事お?ぽっと出の女が獅帥に近付いて妃帥以外にも慈愛を見せているなんて、俺じゃなくても許せねえよ!」
「ひゃ」
床に急に打ち捨てられて、椅子ごと倒される。
「い…!」
「ああウザってえ!」
痛がる私を他所に完全に怒りの導火線に火が点いた男は、私に背を向けて声高らかに叫ぶ。
「惣倉喜影は今はお家の騒動で頭が痛いらしくてなあ、折角焚き付けたのに使えねえ!」
そうか喜影君が私の存在に気付いたのは…。
今更過ぎる事実に呆然と火の点いたオレンジの後頭部を見つめていれば「お前の幼馴染ぐらいだよ久々にスッとしたのは!面白いぐらい堕ちて獅帥にトドメ刺されて死んでくれたからさあ!」と、更に狂気じみた発言をした。
怒りよりもどうしてと言う感情の方が強い。て言うかトドメって…。
何がそこまでして男を狂気に走らせる。
「…意味が分からない。そんな事をして獅帥君が喜ぶとでも思ったの?」



