過つは彼の性、許すは我の心 参



 火ノ宮君はイライラと指先を上下に動かしながら口を挟む。

 頼んでいたハンバーグ定食には一切手を付けていない所から見るに、食欲も失せる程の苛立ちを感じているらしい。おお怖い。


『まあどうせ惣倉なんて重用している様な家だ。天條にとって後ろ暗い事を処理をしているから、大きな顔をしているだけだろうけど』

『おいその言い方は…』

『誰もが言わないだけだし、この程度は皆んな知っている事だ』


 フンと鼻を鳴らす火ノ宮君に呆れる木野島君を見るに、言っている事は事実なんだろう。


『…後は天條の当代以外で言えば土師かな。どうも先祖代々親交があったみたいで、下手したら天條より長い付き合いって噂もあるぐらいだよ』

『土師が…』


 土師と言えば凌久君だけれど…少し前に『俺、多分これからつづに嫌われる様な事をせなあかんくなる…かも』と話していたのって、こう言う背景があって詳しく話せなかったのかも。

 今色々聞きたい所だけれど、凌久君とも私が獅帥君のミケとなってから連絡がつかなくなっている。

 何で立て続けに悪い事ばかり起きるんだろう。

…いやでも聞けた所で危険かも知れない。

 もし今後私に起きる企てられた悪い出来事が凌久君の口から漏れたと知られれば、容赦無く凌久君も、いや四葉さんだって危ない可能性がある。