過つは彼の性、許すは我の心 参



 そのアマミツキシズカと名乗った彼は、雰囲気は年相応なのに…何だろう強い違和感がある。

 
「同じ?」


 火ノ宮君の質問に答えずに、私にだけ妖しく笑う。

 分かった、違和感。

 頭が痛くならないのが不思議だ。


「そう、それ」

「…」

「自覚していないだけ」


 彼は危険(・・)だ。

 他の人は頭上にハテナマークだけれど、私は彼の言っている事が分かる。


「僕と綴さんは特に一緒」

「知らない」

「嘘つき」


 すかさず彼は指摘して逃げ場を無くす。

 唾を飲み込む。


「何の話や?」

「さあ…」


 私達の方が不穏になり始めて渚君と木野島君が首を傾げている。周囲も騒めく。喧騒の中心なんて、いつもの私なら身体を縮こませて嫌がるだろうが、今の私は彼の存在を無視出来なかった。

 皆んなにはそう見えないけれど、確実に追い詰められている。

 彼は態と沢山の人が居る中で、私と彼だけに通じる言葉で話しをしている。

 
「嘘つきって…」

「ふふよく言われるでしょう。僕達は彼等の様に優秀って訳でないから、リスクヘッジしているのに過ぎないだけなのにね?」
 

 ああ彼は確信犯だ。

 私が無意識に考えない様にしている事を曝け出そうとしている。

 
「僕同族だから一応注意しに来たんですよ」

「注意?」

「それこそ誼です。貴方が自分の役割をしないから、オオミカが自分の役割以上の事をする」