だから妃帥ちゃんの純粋な喜び様が嬉しかったりする。

 色々やらかして周囲に迷惑を掛けまくったから、自慢げな妃帥ちゃんの可愛らしい顔で諸々…プライスレス。


「ねえ綴」

「うーん?」


 抱き着いてくれた妃帥ちゃんが見上げる可愛らしい顔と言ったら全てが吹き飛ぶ程の可愛いさ。

 はあ…もう可愛い…!と心の中で悶えていれば、


「獅帥と寝たの?」

「ウグへ!?」


 唾液で咽せた。

 分かりやすい私を見て、妃帥ちゃんは目を細めて「そう」と一言だけ。

 ま、不味い。

 これはアレだよね浮気だよね!?しかもお兄ちゃんとなんて最低過ぎる事をしてしまった。


「あの妃帥ちゃん!私が最低で、あの獅帥君はその私を元気付ける為に…!」

「いいんじゃない?」

「へ?」


 妃帥ちゃんはふふっと私に抱き付いて。


「どっかの有象無象だったら綴の前に引きずり出して、凡ゆる拷問してから綴の前で殺すぐらいしたけど」

「え、ええー…」


 ヤンデレもビックリな恐ろしい言葉を言う。でもお兄ちゃんと寝てしまったミケ所謂婚約者に寛容過ぎるのはどうなんだ。


「実際問題私は身体が弱いからそう言う事をしてあげられないし」

「いや妃帥ちゃんにそんな、」


 妃帥ちゃんとそんな事をする所なんて想像した日には爆発しそうだ。

 だって未だに獅帥君との事だって…!