過つは彼の性、許すは我の心 参



 彼女は艶然としていて、微笑んでいる。

 その姿に心臓が握り潰されそうな程高鳴って、呼吸するのも止まる。

 そんな俺を見て呆れた様な顔をしながら、


「んっ…」


 俺の唇を喰んだ。

 思わず口が開いて、積極的に舌を絡められた。
  

「んっ…はあ…」

「っ…」

 
 彼女の勢いに今度は俺が押し倒される。
  
 仄暗い視界でこの上なく色気が漂う彼女が俺を見下ろす。


「…」


 甘い彼女の匂いと、蠱惑的な目に釘付けにされる。
 
 真似する様に俺の下腹部をサラリと撫でる。再び彼女の中に埋まる自分が熱を持ち始めたのを感じた。


「んっ…ふふ」


 それに何故だか笑った彼女は、ゆっくり俺の上で揺れ始める。

 動けなかった。

 ゆったりと動きながら、俺の身体に赤く色を付けていく。


「…んっ……」

「っ…」


 もどかしい。

 腰を突き上げたいのに、ぬるま湯の様な快感も心地良く感じて動けない。緩やかに俺を高みへと登らせる。

 彼女に抱かれている。

 興奮している筈なのに、酷く安心させられている。両極端の気持ちが、例えようの無い感覚が、身体の中で爆発しそうになる。

 彼女が俺の目尻を唇で吸った。


「大丈夫だよ、大丈夫」


 その時自分が初めて泣いている事に気付いた。

 彼女の肢体が自分の上で曖昧に揺れる。強制的に穏やかにさせられる感覚が堪らない。

 何で今まで彼女無しに生きていたんだ。