「ぷははははっ!妃帥さん本当におもしろーい!」
リタの甲高い声に数人の眉間に皺が寄る。
よくこんな場面で笑えるなと感心していればリタが、
「だって妃帥さん自分で言っていたじゃないですかあ。獅帥さんは誰かとの約束でミケはつくらないって」
衝撃的な事を言って、獅帥君を見上げる。
硬い難しい表情。
「そうなのか?」
「…」
匡獅さんの言葉に何も返さない獅帥君。何処か苦しそうだ。まるでソドムで弱りきった時の獅帥君に似ていて…この話を止めさせなきゃと唐突に思う。
「ひす、」
「お父様…1つ聞いてもいいかしら」
私が何かを言う前に、妃帥ちゃんが自分の父親を見上げながら聞く。
「…ああどうした?」
「ミケって別に被ってもいいのよね?」
兄の表情に気付いているのか気付いていないのか無邪気に聞く妹に「妃帥のミケを辞めるのではなく、獅帥のミケにもなるって事か?」と匡獅さんは淡々と娘の意図を確認する。
「そう」
「匡獅様!その様な事は、」
天女目春日の制止も届かない。
「私達は子孫を残す事が重要視されているのだもの。私はこんな身体だから役目は果たせそうに無いし…今までお兄様にばかり役目を押し付ける事に罪悪感があったの」
「そうか妃帥…其処まで考えていたのか」



