過つは彼の性、許すは我の心 参



 うぐ苦しい…となっているが、見えていると怖気立つと思うので息苦しいのは我慢する。


「彼女は貴方のミケではございません。その様な扱いをするのは、」

「…妹のミケが此処に居る誰にも認められずに、肩身の狭い思いをしているなら、兄として丁重に扱うのは当然だろう」

「…」

「…」


 れ、冷戦だ。

 沢山人が居るのに2人の声しか響かない。

 この2人の空気に割って入れるなんてーーー…。


「やだあ獅帥さんまだ分からないんですか?」


 態とらしくも舌足らずな声が、カットインした。リタだ。


「獅帥さん、お父様に言われてましたよね。その女がどんな女なのか」

「…」


 リタの足音が近付いてきて、私の横まで来る。


「それに獅帥さん。この女が大事ならーーー分かっていますよね」


 抱き締める腕の力が強まる。

 震えている…?

 少しだけ獅帥君が震えている気がして、大丈夫?と問い掛けようとした。


「あら沢山人が」

「何だこんなに集まって」


「匡獅様…」


 え、匡獅さん?

 誰かの呟きと共に、私も気になって顔を横にずらす。

 其処には右の階段の上に妃帥ちゃん、その妃帥ちゃんをエスコートしている匡獅さんが居た。集められる視線をものともしない2人は、誰もが口を出せずに降り切るの見守る。あ、カズミさんも後ろに居た。