過つは彼の性、許すは我の心 参



 もうそれは歴史の暴君と何ら変わりない。


「僕はお前にはそんな風になって欲しくない。誰にも後ろめたくなる様な事はせず、明るい日の元で生きて欲しい」

「…」


 僕の切なる願いの言葉に匡獅は、


「お前は人を殺めているのに、そんな事を言うんだな」

「…っ」


 浅はかな言い分の矛盾を指摘した。

 二の句も告げない僕に匡獅は、更に衝撃的な言葉を言った。


「そもそも此処での殺人が初めてじゃないだろう」


…そうだ、匡獅は優秀なオオミカだ。

 僕の抱える秘密なんて見抜くに決まっていた。当然の事だろうに、どうして僕は匡獅が知らないでいてくれると思い込んだんだ。

 僕の決して公に出来ない秘密。

 こればっかりは僕と切り離せない。

 ハッキリと言うべきなのか。

 僕の抱える(さが)

 どうして僕が平然と人を殺せるんだって?ましてや子供の癖に?

 馬鹿げている。

 先天性のサイコパスとして精神科にでも入院させられるか。それとも捕まるのか。


『外の世界で、()として生きて』


 ああ僕は約束も果たせない。

 両腕で顔を覆った。


「八重?どうしたんだ」

「お前は本当に僕をどうしたい」


 匡獅は決して逆らえない飼い犬が欲しいから、僕を追い詰めようとしているのか。それならもっと順々な奴が沢山居るだろうに。

 僕の質問に匡獅は、


「ーーー八重、俺はお前の過去は正直どうでもいい」


 そう言って僕の腕を掴んだ。