もうそれは歴史の暴君と何ら変わりない。
「僕はお前にはそんな風になって欲しくない。誰にも後ろめたくなる様な事はせず、明るい日の元で生きて欲しい」
「…」
僕の切なる願いの言葉に匡獅は、
「お前は人を殺めているのに、そんな事を言うんだな」
「…っ」
浅はかな言い分の矛盾を指摘した。
二の句も告げない僕に匡獅は、更に衝撃的な言葉を言った。
「そもそも此処での殺人が初めてじゃないだろう」
…そうだ、匡獅は優秀なオオミカだ。
僕の抱える秘密なんて見抜くに決まっていた。当然の事だろうに、どうして僕は匡獅が知らないでいてくれると思い込んだんだ。
僕の決して公に出来ない秘密。
こればっかりは僕と切り離せない。
ハッキリと言うべきなのか。
僕の抱える性。
どうして僕が平然と人を殺せるんだって?ましてや子供の癖に?
馬鹿げている。
先天性のサイコパスとして精神科にでも入院させられるか。それとも捕まるのか。
『外の世界で、私として生きて』
ああ僕は約束も果たせない。
両腕で顔を覆った。
「八重?どうしたんだ」
「お前は本当に僕をどうしたい」
匡獅は決して逆らえない飼い犬が欲しいから、僕を追い詰めようとしているのか。それならもっと順々な奴が沢山居るだろうに。
僕の質問に匡獅は、
「ーーー八重、俺はお前の過去は正直どうでもいい」
そう言って僕の腕を掴んだ。



