匡獅の機嫌が良い。
「どうしたんだ気持ち悪い」
「ハハっ俺にそう言うのはお前ぐらいだ、八重」
しかも妙にベタベタして来て若干うざい。
今は昼間の休息時間で、五月蝿い大人共も居ないせいで匡獅のテンションも高い。
「当たり前だろうお前の傍には僕しか居ないから」
「そうだな、そうだな!」
「うわっ!飛びつくな!」
背を向けた僕に抱き着いていた匡獅が、更にのしかかり重力に負けて押し倒される。
匡獅はニコニコと微笑んでいて相当御機嫌だ。
「なあ八重」
「…どうした?」
窓から入る日に照らされた匡獅の神々しい事。
太陽の象徴であるアポロンが現実に居て、下界に降りたら、こんな感じ何だろうか。
匡獅の手が僕の頬に触れる。
愛おしいモノに触れようとするその手付きは心地良く思わず目を閉じてしまう。
「なあなあ八重」
「いい加減に教えろよ…」
丁度良い昼下がりの、窓から入る日光に照らされ、僕の上には僕を慈しむ者が居て、この上なく夢心地にさせられてーーー…。
「殺したんだろう?」
目が覚めた。
急激に雲が太陽を覆い、室内もやや暗くなる。
匡獅の表情いつもと変わりない。
「…何の事だか」
分からない、そう言い掛けて。
「何言っているんだ八重は。お前がこの前殺した女とその前、後その前もだったか?の話だ」



