「早くしてくれ、お前達がこの世に居るだけで気分が悪くなる」
俺の言葉に、顔が青褪めて行く夫婦。
「本気だぞ私は」
「え、あ」
「匡獅様!」
「武凱黙れ。お前の家族が大事ならな」
「っ…」
俺は武凱を黙らせ、周囲を見渡す。
誰も俺と目を合わせないな。
心の中で笑い転げながら、長机の前に座る人間達を意地悪く観察する。
歩きながら順番に眺めて、足を止めた。
「お前は?」
その内の1人に声を掛ければ「っへ、いえ私は!」と慌てた様な声を出す。
「私は子供だから直ぐに死ねと言ってしまうんだ。他にも不愉快な奴がいた気がするんだがなあ…」
「いえ!私どもはオオミカ様の御意向に反する事などは!」
「そうだったか?」
「っ…申し訳ありません!」
更にもう1人に声を掛ける。
「…お前も子供が、大の大人を殺せると思うか?」
「そんな、事は思いません!」
「だよなあ」
教師に当てられたくない子供の様な大人達を見て溜飲を下げる。
そうだ、それでいい。
俺がその様な言葉を口にする事が如何に恐ろしい事態なのか。
青褪めて色の無くなった夫婦を一瞬見て、天女目春日に視線を合わせる。
「分かったな、この件はこれで終わりだ」
「…」
そもそもその件を出すなら、別の件も掘り起こす必要がある。



