過つは彼の性、許すは我の心 参



「早くしてくれ、お前達がこの世に居るだけで気分が悪くなる」


 俺の言葉に、顔が青褪めて行く夫婦。


「本気だぞ私は」

「え、あ」

「匡獅様!」

「武凱黙れ。お前の家族が大事ならな」

「っ…」


 俺は武凱を黙らせ、周囲を見渡す。

 誰も俺と目を合わせないな。

 心の中で笑い転げながら、長机の前に座る人間達を意地悪く観察する。

 歩きながら順番に眺めて、足を止めた。


「お前は?」


 その内の1人に声を掛ければ「っへ、いえ私は!」と慌てた様な声を出す。


「私は子供だから直ぐに死ねと言ってしまうんだ。他にも不愉快な奴がいた気がするんだがなあ…」

「いえ!私どもはオオミカ様の御意向に反する事などは!」

「そうだったか?」

「っ…申し訳ありません!」


 更にもう1人に声を掛ける。


「…お前も子供が、大の大人を殺せると思うか?」

「そんな、事は思いません!」

「だよなあ」


 教師に当てられたくない子供の様な大人達を見て溜飲を下げる。

 そうだ、それでいい。

 俺がその様な言葉(・・・・・・)を口にする事が如何に恐ろしい事態なのか。

 青褪めて色の無くなった夫婦を一瞬見て、天女目春日に視線を合わせる。


「分かったな、この件はこれで終わりだ」
 
「…」


 そもそもその件を出すなら、別の件も掘り起こす必要がある。