過つは彼の性、許すは我の心 参



「あの場所には、」

「俺が殺ったとでも?」


 先手を打った。


「春日様!匡獅様についてその様な!」


 武凱もオオミカに対して侮辱だと加勢する。このまま何も言わずに下がればいいと思ったが、


「ーーーいますでしょう。もう1人得体の知れない一族の子供が」


 八重を引き合いに出し始めた。


………ハハっそう来るか。


 天女目春日の言葉にあれよあれよと娘の両親や顔役達が食い付く。


「お待ち下さい春日様。まさか娘は…」

「その可能性が。オオミカ様を独占したいが為に、悍ましい子供です」

「そう言えばオオミカ様の命を永遠と狙う不貞の輩達を飼っていると。噂で聞いた事が」

「そんな恐ろしい…どうしてオオミカ様の近くにその様な者が!」


 更に波紋を大きくしようと画策する春日。


「オオミカ様は人の身でもあられますから、子供のオオミカ様なら騙せ仰せると思っているのでしょう。狡猾です」

「何故早く罰せられないのですか!」

「オオミカ様!」


 訴えを起こした夫婦と顔役達の声が重ねりーーーああもう、いいか。


「ーーー死ねばいい」


 水を打った様に静かになる。

 波紋を壊す為に投じた大きな石を投げたのは、俺。


「オオミ、」

「死ねばいい。お前も隣に居る女も、その子供も」


 皆死ねばいい。


 脳で処理しきれない様で夫婦は俺を呆然と見上げている。

 前も(・・)そうだったな。

 俺は微笑んだ。