過つは彼の性、許すは我の心 参



 俺は椅子から腰を上げた。


「こんな所に居るくらいなら手を握って励ました方が具合が良くなるだろう。さっさと行け」

「匡獅様何方に」

「オオミカ様!」

「もう帰らせてくれ」


 ただでさえ不快な事を聞いて気分が悪い。

 武凱も、顔役達の声も聞きたくない。

 早く会いたい。

 俺の(つがい)に。


「匡獅様」

「…」


 嫌々と天女目春日を振り返る。

ーーーこの女はオオミカの養育に関われる立場だけあって、強行にこの女が掟通りに育てろと言えば俺から八重は引き離されるだろう。

 俺が横暴に振る舞えるのは、この女の要求にある程度譲歩し受け入れる事で、この女が俺と言うオオミカを崇め奉る様他を教え導き統制しているから。(それが無ければ俺の我儘は通らず、八重は家に戻された事だろう)


「…話だけは聞くが?」


 ただ今回の事は八重の事に口を出されて気分を害している分、そこまで譲歩する気は無い。話を聞くのが精々だ。


「立て続けに起きている事故死。本当に事故死なんでしょうか」

「…俺はそう聞いているが?」

「調査した者に見解を聞いたのですが、限りなく事故死に近いとの事でしたが人為的にでも状況は作れるとの事でした」
 
「何が言いたい」


 俺の視線に天女目春日は臆さず、感情1つ読み取らせない様な視線で返す。