過つは彼の性、許すは我の心 参



 女の死体が階段下で発見されたと、武凱…亡くなった母のシンカンであり、俺の後継人を務める者からそう聞かされた。


「そうか」


 知りもしない相手だからそれ以外言いようが無く、後継人…武凱も困った様な顔をしていた。

 武凱は母亡き後、母の遺言で俺の全てを託されている優秀なシンカンで、天條の直系の血を継ぐのが俺しかいない為、子供である俺に変わって天條が関わる全ての事業を管理してくれている。それも俺が天條を引き継ぐ迄と明言しており、俺が後を継げる様になったら即座に退くと実家の武凱(主に権力思考の強い親戚達)にも言い含めて言るらしい。

 ただ俺としては、八重が此処の大人の中ではマシな方だと言っていたので信用しているだけに過ぎないのだけれど。


「はい、それで女の親が今…」


 武凱は俺の手を煩わせない様に色々辛苦しているのは知っていたが、今回はそうもいかなかったらしく、特殊な状況故に俺は隔離された空間から出て本館に出向く羽目になっていた。

 他にも集められたらしい数名の、一族でも幅を効かせている者達もどうやら招集を受けたらしく黙って座っている。

 随分大掛かりだな…。

 
「失礼致します」


 老婆にしてはハリのある声に、自然と武凱他顔役達の背が伸びる。

 黒い喪服の様な着物を着た天女目春日が部屋へと入って来て、その後ろに。