漸く着いたので、運転手にお礼を告げて外へと出る。
勿論獅帥君は一緒にだ。
恐らく今なら孝史が居るはずだからきっとビックリするだろうな…。
そんな事を考えて入ればタイミング良く考史が出て来てキョトン。
「あれ綴なんで…獅帥さん、ですよね?」
「…ああ」
「考史こそ大荷物。なんで?」
どう見ても長期の旅行に行く荷物の量を持って家から出て来た考史に、私もキョトンとする。
「いや俺も急で実感なくって…」
「?」
詳しく聞けば、
「え?強化合宿のメンバーに選ばれたの?」
「平気で全国行ける奴らがゴロゴロいる大規模合宿のな。枠が増えたとかで、急に顧問に言われたからビックリだよ」
頷かれて「おめでたいじゃん!おめでとう!」とはしゃぐ私に、微妙な反応な考史。
「どうしたの?」
「選ばれたのは嬉しいけど学校休む分の勉強は後からくるしなあ…祝日使わない合宿はガチだからな鬼の様にしごかれるだろうし。後顧問も言ってたんだけど、お前の実力なら有り得るから不思議な事では無いんだけど、特例で枠が増えたとかって殆どないからしっくり来ないって」
「…普通に喜べば?」
「綴程単純に慣れねえよ」
「ま!お姉ちゃんに向かって!」
「事実だろ」
「む」



