しかし妃帥は、
「ええいいわ。私のミケである綴が産む子供ですもの、愛情を掛けて育てるわ」
余計に理解出来ない事を言った。
流石の土師利大も「はあ?正気ですか?」と疑い掛かる様に問う。
「貴方は知らないかもしれないけれど、私達だって産まれる前は別の男の子供じゃないかって言われていたし…ああ貴方お家が大変だったのよね?トラウマ刺激して申し訳ないわ」
「…アンタッ!」
土師利大が妃帥に掴みかかろうとして「落ち着けよ」「落ち着こう2人とも」と鉄将と楽が止めに入った。
「お兄様がミケを作る気がないんですもの。妹の私が頑張るしかないじゃない。私の身体が弱いから綴にお願いするしかないのは悪いと思っているけれど、出来れば綴が選んだ相手にはしたいとは思っているわ」
「…妃帥」
なあにお兄様と言いたげな目で俺を見る妃帥。
駄目だ分からない妃帥が何を考えているのか。
「綴は知っているのか?」
「前に少しだけ話しているけれど悪くない反応だったわ。それに、初めてお兄様と綴が会った時に言っていたじゃない。子供は欲しいって。私も欲しいと思っても不思議じゃないでしょう」
「…それでもお前との子として産まれるなら、相手の出自は」
「出自?」
妃帥は俺の言葉に嗤う。



