「そうかな…」

「神話って教訓って側面も強いけど、異種と交われば嫌でも弱い方…人間側がリスクを背負うし…人が作った話だしな仕方ない所もあるけど、やっぱり身分相応が1番だよなあ」


 坂本君は自分のスイーツの一口をパクリと食べて話を終わらせる。


「美味かった〜」

「…」


 神様と人か…。


 時には神様同士の争いに巻き込まれる人間達。

 脆弱な存在である人側は死なない様に争うしかない。

 前にも思ったけれど、神様が人に関わるのって結局どういう意味があるんだろう。

 神話は箔付つの様に自身は神の血を継いでいるから強いんだと話を作る訳で、坂本君の言う所詮は人の作る話だからと思えればいいけれど…。


「あ、」

「どうした?」

「友達から連絡」


 開くと凌久君からで【楽しそう】と表示されているのを見て少しだけニマニマしてしまう。


「嬉しそうだな」

「うん」


ーーー実はこの美術展に坂本君と一緒に行くのを躊躇っていた。

 だって私は妃帥ちゃんのミケだし、知り合いとは言え、付き合ってもいない男友達と一緒(しかも2人っきり)に遊びに行くのは良くないかなと思っていたんだけれど、


『あら誰かしら?』

『あー昔の友達。私が行きたがっていた美術展のチケット譲って貰ったって書いてある…』

『行かないの?』

『いやその男友達でして…』