「って、えぇぇぇぇぇぇ!?!?」

 思わず大声を上げてしまう。

 近くを歩いていた男が驚いて振り返り、怪訝そうに咲妃を見る。


 「い、今って……平安ですか!?」


 突然の質問に男はぎょっとして一歩引き、
 「そ、そうだが……?」と答えると、そそくさと逃げていった。


 その答えを聞いた瞬間、咲妃の胸が熱くなる。


 「帰ってきたんだ……! 本当に……!」


涙が滲む。

 心のどこかで、もう一度逢いたいと願っていた。

 それが今、現実となって目の前に広がっている。