金色の光に包まれ、道満の攻撃の隙をついて、咲妃は必死に這い上がった。
胸は早鐘のように打ち、心臓が飛び出そうなほどに脈打つ。

 「晴明さん…!!」

 涙が頬を伝い、砂利の庭に落ちる。

恐怖と不安で全身が震える。だが、咲妃は諦めず力を振り絞って走り出す。


「(行かなきゃ…!絶対、晴明さんのところまで…!)」

 砂利を蹴って駆ける咲妃の視界に、金色の印を組む晴明の姿が見えた。

 「咲妃!」

 晴明の声が届く。

咲妃は足を速め、ついに晴明の元に辿り着くと、全身全霊で彼に飛びついた。