咲妃の前に、晴明の式神たちが疾風のように駆けつけ、道満に立ち向かう。

朱雀、玄武、白虎、青龍…全ての式神が光を放ち、道満を取り囲む。

 道満は咆哮を上げ、金色の光に反応して怒り狂う。

 「貴様ら…!」

 咲妃は砂利に伏せたまま、必死で身を守る。





「咲妃…!」

 屋敷の奥から晴明の声が響く。強く、しかし優しさのこもった声だった。

 その声だけで、咲妃は少し安心し、涙を拭いながら金色の光の中で立ち上がろうとする。

 しかし道満は油断しない。

力強く咲妃に迫るが、晴明の式神たちが、彼の動きを封じる。

咲妃は叫びながら、目の前の光景に希望と恐怖が入り混じる。


 これまで自分を守ってくれた晴明の力――その強さと優しさを、身をもって知る瞬間だった。