夜。


晴明は依頼を終え、屋敷に戻ってきた。


身体を清めた後、濡れた髪に湯気が立ち昇るまま、咲妃の部屋に向かってくる。

 咲妃は縁側で膝を抱えて座っていた。

夕闇が差し込む中、ふと差し込む灯りに、湿った髪と白い肌が淡く輝く晴明を見て、胸が高鳴った。

 「咲妃…」


静かに声をかけられ、咲妃は思わず顔を背ける。

朱雀が飛んできて、昼間の外出での怪我を報告したと告げる。


晴明はすでにそのことを知っていたのだ。


 「心配かけて、ごめんなさい…」


 咲妃は小さな声で詫びる。すると晴明は、そっと咲妃を抱き寄せた。



 「そなたが無事でよかった。」



 耳元で囁かれるその言葉に、咲妃の胸はどくんと跳ねる。


思わず小さく息を漏らしたその瞬間、晴明は縁側に座る咲妃を押し倒す。



 「きゃっ、せ、晴明さん?!な、なにを…!」