翌日、晴明が落ち着いた表情で咲妃に告げた。 「咲妃、博雅から聞いていると思うが、明日、帝に挨拶に行くぞ。」 咲妃の胸はドキリと高鳴る。手が少し震えているのを感じた。 「はい……わかりました。」 しかし晴明はにこっと笑い、優しい声で続ける。 「危険な人物ではない。案ずるな。」 その笑顔に、少し安心し、咲妃は深く息を吐いた。