「なるほど。そなたの未来の話、詳しく聞かせてもらおうか。」



 咲妃は歴史を変えぬように気をつけながら、必要最低限の知識だけを話す。

 晴明は咲妃の手元にあるスマホを見つけ、眉を上げる。


「これも……そなたの未来の道具か。なるほど、仕組みは面白いな。」


 咲妃は心の中で、信じられない話を聞いてくれる二人に胸がいっぱいになった。

けれども、住む場所もなく、どうすればいいか悩んでいた。

 その気持ちを察したのか、晴明は少し意地悪そうに告げる。

「暫く我が元で見張らねばならぬからな。必然的に、ここに住むことになるぞ。」

「え……えぇ……」

 咲妃は顔を赤くして俯く。意地悪そうに笑う晴明の顔が、どこかかっこよく見えた。

 でも、ちょっと緊張する――この人の前では、つい素直になれない。